こんにちは!静岡市駿河区新川のセントラル歯科クリニックです。
今日は根分岐部病変についてお話ししたいと思います。この病変は歯周病の一種で、特に奥歯に多く見られます。根分岐部とは、歯の根が分かれる部分を指します。歯には通常1本の根しかない前歯や多くの小臼歯に対して、一部の小臼歯や大臼歯には2本以上の根があり、これらが分かれる部分が根分岐部です。
根分岐部病変の原因
根分岐部病変の主な原因は、歯周病菌による感染です。歯周病菌は歯と歯肉の間にある歯周ポケットに入り込み、炎症を引き起こします。この炎症が進行すると、歯を支える骨が破壊され、最終的に歯が抜け落ちることがあります。
症状
根分岐部病変の症状は、初期にはほとんど感じられないことが多いですが、進行するにつれて以下のような症状が現れます:
- 歯肉の腫れや出血
- 歯の動揺
- 口臭の悪化
- 歯肉からの膿
これらの症状が現れた場合は、早急に歯科医院を受診することが重要です。
診断
根分岐部病変の診断は、主に歯科医師による視診や触診、X線撮影によって行われます。X線撮影では、骨の状態を確認することで病変の進行度を判断します。また、プロービングと呼ばれる器具を使って歯周ポケットの深さを測定することも診断の一環です。
治療
根分岐部病変の治療法は、病変の進行度によって異なります。初期の段階では、歯石の除去や歯周ポケットの清掃を行うスケーリングやルートプレーニングが効果的です。これにより、歯周ポケットの深さを浅くし、炎症を抑えることができます。
進行した場合には、歯周外科治療が必要となることがあります。これは、歯肉を切開して直接根分岐部を清掃し、必要に応じて骨を再生させるための処置を行うものです。特に、エムドゲインやリグロス等を使用し、必要に応じてメンブレン、DBBMやDFDBAなどの骨補填剤を使用した再生療法が効果的です。
予防
根分岐部病変の予防には、日々の口腔ケアが非常に重要です。以下のポイントを心がけましょう:
- 正しいブラッシング:歯ブラシを使って歯と歯肉の境目を丁寧に磨くことが大切です。歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、歯と歯の間のプラークも除去しましょう。
- 定期的な歯科検診:少なくとも半年に一度は歯科検診を受け、プロフェッショナルクリーニングを行うことをお勧めします。歯科医師が早期に問題を発見し、適切な対策を講じることができます。
- 健康的な生活習慣:バランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレス管理も口腔内の健康維持に役立ちます。特に喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙を心がけましょう。
まとめ
根分岐部病変は、早期発見と適切な治療によって改善することが可能です。日々の口腔ケアを怠らず、定期的な歯科検診を受けることで、根分岐部病変の予防に努めましょう。皆さんの歯と歯肉の健康を守るために、私たち歯科医師は常にお手伝いする準備ができています。何か気になる症状がある場合は、遠慮なくご相談ください。